今回は、筆者が自動販売機のベンダー(中身を補充する業者)のドライバーをしていた頃の経験からお話しします。
突然ですが、缶コーヒーの賞味期限は
約一年です。
冬にはHOTの缶コーヒーが、販売機内にあるヒーターで温められます。
暖まるのは、補充してから3時間前後ぐらい。
商品の回転が速い自販機は、補充してからすぐ売れ始めていきます。
逆に全く売れない自販機というのもあります。
児童公園の中や民家の軒先にあるようなものがそう。
そういったロケーションの自販機内にある商品はいつまで経っても売れない。
何が言いたいかというと、
自販機のロケーション(設置場所)によって
長期間にわたり商品が入りっ放しに
なっていることがあります。
つまり10月の終わりぐらいに暖め始めた缶コーヒーが、ワンシーズンずっと自販機の中に入っていることもあるのです。
半年近くずっとHOT状態のコーヒーはあまり想像したくない…ですよね。
そこで経験談から、よく売れるロケーションと売れないロケーションはどこがどう違うのか、お話しします。
商品回転の早い(よく売れる)ロケーション
・会社や工場の敷地内
・学校内
・病院内
・大型商業施設(例:某大型家具ショップの〇KEA)
など
そこそこ売れるロケーション
・ガソリンスタンド
・社宅や寮の中
・美術館、博物館などの文化施設
・駅ナカ
など
回転の悪い(売れない)ロケーション
・コインパーキング
・コンビニの前
・街の公園、道端
・その他、人が立ち止まることがない場所
売れる所のと売れない所の違いはズバリ客層のターゲットが明確で商品の需要があるかです。
工場内だったらそこで働く人たちが客層となり、コンビニなどわざわざ外に行って買うより手っ取り早いので需要があるわけです。
学校も商業施設も同じくです。特定の多数が需要を持てば販売数も伸びるのです。
ガソリンスタンドや文化施設は、客層が上記よりも不特定になるので販売数がそこまで良くないです。ただ、わざわざ足を運んでお店に買いに行くよりかは手軽なので一定数は売れます。
全く売れないロケーションは客層が不特定で需要がありません。
コンビニの前に自販機がある所がよくありますが、店内の方が品揃えが良いし、ポイントも付く。PB商品なら価格も安いので、競争に負けてしまい、売上はさっぱりです。
こういう所の飲料は、開店してるのかどうかわからないほど寂れた個人商店でホコリを被っている商品のようなものです。
いくら密閉されているからといっても、日数が経つにつれ 中身の品質は劣化していきます。
HOT商品は劣化のスピードがさらに早いです。
あなたはひと冬ずっと温め続けてきた缶コーヒーを飲みたいと思いますか?
筆者はCOLD商品も含め、極力自動販売機では飲料を買わないようにしています。
とりわけHOT商品は。
どうしてもというときは、中身の品質に影響が少なそうなお茶や水を選ぶようにしています。
経験上「ここはよく売れる自販機だから大丈夫だろう」と思える所では気にせず買ったりしますが、店があるなら店での購入を選択します。
自動販売機で飲み物を買うときは、その自販機が売れる自販機なのか、売れない自販機なのかをよく吟味して考えてから買うと良いでしょう。