今回は前記事の続き、経理の向き不向きについて語る第2弾。
経理に向かない性格はどのようなものかご紹介します。
前回の記事はこちら。
2,経理に向かない性格
1、事務作業が苦手、PC作業が苦手
経理の仕事は100%事務作業です。
これが好きではない人は、経理に転向するのはやめた方が良いです。
そして、事務作業にはほぼパソコンを使って作業していきます。
今どき帳面だけで仕事をしていく、というのは珍しすぎるレベルです。
ということは、パソコンスキルも最低限必要だという事です。
ワード、エクセル等の基本的な使い方は押さえておきましょう。
最近の若い人には、スマホやタブレットの扱いに長けている一方、パソコンの使い方に疎い人もいると聞いたことがあるので、就職前にはある程度学習しておきましょう。
パソコンが苦手、何度教わっても全然ものにならない、という人もいらっしゃると思いますが、そのような方も経理への転向は避けたほうが良いでしょう。
2、数字を扱う仕事が得意でない
経理は数字と切っても切れない関係です。
数字を扱わない仕事はありません。
なので、数字を見ると目がチカチカしたり、頭が混乱してしまう人は向いていないと言えます。
もちろん訓練で克服することも出来ますが、相当な努力が必要です。
(筆者も元々得意ではなかったので、非常に苦労しました)
3、デスクワークがイヤ
デスクワークがあまり好きではない人は、そもそも事務的な仕事に就くのは向いていないのではないでしょうか。
作業場・工場での勤務やドライバー、店舗での勤務などが好きで、事務作業は他の人に任せたいと思いがちな人は、経理への転向は再考した方がよいでしょう。
4、デスクにじっとしているのが嫌
経理に限らず、事務的な仕事は自分のデスクで一日中仕事をします。
じっとしているとすぐ飽きたり、もっといろいろ立ち回って仕事をしたいと思う人には向いていないのかもしれません。
事務的な仕事には、「忍耐」という言葉が付きまとう、ということは覚えておいたほうが良いでしょう。
5、華やかな仕事が好き
経理の仕事は非常に地味です。
同じ事務方でも、人事採用担当や広報などと違って社外の場に出ることがほとんどありません。
あるとすれば金融機関やリース会社ぐらい。
世間で華やかなイメージを持たれがちな広報などと同じイメージで、経理への転職等を考えている人は再考した方が良いでしょう。
6、我慢弱い、できるだけ楽な方法をとる
経理の仕事に限らず、仕事と言うのは常に課題の発生とその解決が求められます。
時には、自分の能力以上の課題や困難に立ち向かわなければならない時も発生します。
そんな時に、同僚や先輩に甘えすぎたり、他人に振ったり、うまく逃げる方法やとにかく楽になる方法ばかり考えてしまっていませんか?
経理の仕事は、スキルのレベルアップと知識のバージョンアップが常に求められます。
苦労と努力を常に伴う仕事なので、そうした環境に身を置いたときにとにかく楽に事務作業だけ淡々とやっていきたい、と思わずに仕事をしていきましょう。
それが嫌だ、という方は経理にはあまり向いていません。
7、学習心・向上心を持ちたくない
前述したように、経理の仕事には常に向上心と学習心が求められます。
今の自分が限界、と思ってしまっては成長も止まってしまいます。
成長を諦めたり、自分の手で止めてしまってはいけません。
そもそも仕事でスキルアップを望んでいなかったり、流れ作業的に事務作業をしていきたいと思う人にとっては、経理の仕事はかなり辛いかもしれません。
8、情報収集と情報整理が下手
経理は多種多様に渡る情報を扱います。
利益の数字、預金残高、売掛金・買掛金の金額、各種費用の支払日…と様々な情報を、常に多元的に取り扱い、管理していきます。
この多元的な管理が不得意・苦手、という方はかなりの困難と苦労を伴うと言ってよいでしょう。
もちろん、訓練と経験で克服できるものですが、その為にはかなり大変な努力をしなければいけないことを覚えておきましょう。
9、思い込みが多い、独りよがり
経理は売上や利益の数字と言う会社の機密情報を扱う仕事です。
支払日や支払金額などは、単純なミスなどで間違ってしまうと取引先との信用問題に発展する事もあり得ます。
また税務申告等では、1円たりとも間違えてしまうと修正申告をする羽目になったり、下手をすれば虚偽の申告だと見なされ、会社に多大なダメージを負わせることまで考えられます。
その為、確認することが絶対に欠かせません。
確認するのが経理の仕事、といっても良いくらいです。
同僚や上司に確認するのは不可欠な作業の為、独りよがりになって全部自分で判断してしまったり、思い込みだけで仕事を進めていく事は非常に危険です。
ついついそうなりがちな人は、自分の性格を意識し、積極的に確認のアクションを起こすことが大事です。
10、報告・連絡・相談が下手
経理の仕事は確認の仕事、と先ほど書きました。
そのため、報告・連絡・相談のいわゆる「ほうれんそう」が非常に重要です。
報告や連絡の仕方が下手だったり、重要な部分を伝達せずにいると重大なミスにも繋がりかねません。
的確な情報の伝達と、関係者への情報共有というのを心がけましょう。
これが出来ないと、経理としてやっていくのは少し難しいかもしれません。
11、人の心を読むのが苦手、機会的なやり取りを好む人
経理は企業内を支える屋台骨です。
いわば会社の「お財布」。
様々な部署から費用の申請や請求書、領収書等の申請が上がってきた時、どんな人達とやり取りをしているか、申請を上げる人はどういう性格の持ち主であるかを知っておくと、こういう流れがスムーズに進みます。
よく、経理と営業部門は費用の申請の仕方や領収書の上げ方で意見が食い違い、お互いに仲が険悪になってしまうという事例があるようです。
そうなるのを少しでも防ぐため、お互いの心持ちや性格を知っておくことは重要ですよね。
人間と人間とのやり取りですから、淡々と事務的な流れだけでは無機質でなんだか素っ気なさ過ぎてしまいます。
経理を含む管理部門はいわば「社内の営業職」という立場ですから、経理だから機会的に処理すれば良い、と思っていると、自分の仕事もスムーズに進まなくなるでしょう。
12、会社の利益や経営について興味がない
経理は会社の経営の意思決定に大きく関わる「利益」の情報を扱っています。
時には経営陣から、経理としての経営に関する意見を求められることもあるでしょう。
しかしそんな時に「私はただ事務作業を行っているだけなので、何も意見がありません」と言ってしまっては、経営陣に「自分の仕事について興味が無さ過ぎるのではないか」と思われてしまいます。
仕事ですから、自分の職種や仕事内容に関して興味や探究心を持つことも仕事のうちです。
はっきり言うと、ただ事務作業を行うだけの人は、せいぜいパート・アルバイトのレベル。
正社員で働いているのに、こんなことを言っていては経理としての自覚が無さ過ぎると判断されてしまいます。
常に仕事や作業には意味があり、なぜこの仕事をしているのかという理由とその仕事によって得られる成果があるわけですから、盲目的にならず一つ一つの作業に対して意味付けを行っていきましょう。
そして経理に限らず自分の仕事に興味をもつことが、社会人として求められる資質だと思います。
13、自分が何のために会社にいるのか、良く分かっていない
前述した通り、仕事には必ず意味があります。
そして、職種にも意味がちゃんとあります。
なぜ自分がこの会社で働いているのか、なぜ経理として働いているのか、という問いには必ず理由があります。
しかしそれを考えず、ただ会社に来、何も考えず、作業を淡々と行い、周りの状況も見ず、定時になったらすぐ帰る、という機械的な働き方を行ってしまうと、その人によっぽどレベルの高い技術や経験がなければ、はっきり言って会社にいる意味というのが感じられません。
仕事が出来れば話は別ですが、そうでなければますます会社にいる意味というのが無くなってしまいます。
そもそもなぜ自分がこの会社で働いているのか、ということを考えようとしない、考えるだけムダだと思っている人は論外です。
正社員で働くのはやめたほうが良いと思います。
今まであまり意識してこなかった人は、是非振り返ってみて下さい。
自分が会社で働いている意味、会社に対して何を貢献できているか、自分は会社にとって必要なのか…ということを意識すると、自ずと自分がどのように振る舞えばよいかがわかってくると思います。
経理に限らず、自分自身と仕事の関係について、消極的な関係よりもWIN-WINな関係になれた方が、幸せだと思います。
以上、今回は経理としてはあまり向かない性格や言動についてご紹介しました。
次回は、趣味嗜好の面で向き不向きをお話していこうと思います。